高齢者に多い病気と症状 総合ガイド|家族・ケアマネが知っておきたい基礎知識

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高齢者に多い病気と症状 総合ガイド|家族・ケアマネが知っておきたい基礎知識
高齢者が抱える疾患は多岐にわたり、「どんな病気に気をつければよいか」「症状が出たときにどう対応すればよいか」と悩む家族やケアマネジャーは少なくありません。このページでは、高齢者に多い主な疾患の全体像を整理し、個別の症状・対応・制度・相談先を一望できるよう構成しています。各疾患の詳細は配下の専門記事でご確認ください。
高齢者の疾患とは|このページでわかること
高齢者医療において「疾患」とは、単一の病気に限りません。加齢に伴う身体機能の低下、複数の慢性疾患の併存(多疾患併存)、さらに生活環境や栄養状態が複雑に絡み合った状態を総合的に指します。厚生労働省「患者調査」では、65歳以上の高齢者に多い疾患として、高血圧性疾患・糖尿病・心疾患・脳血管疾患・骨折などが上位に挙げられており、これらが介護が必要となる主な原因にもなっています。
対象となる方・こんな悩みに答えます

このページは次のような方を対象としています。

  • 親や配偶者の体調変化が気になる 介護家族
  • 担当する利用者の健康管理に役立てたい ケアマネジャー・医療・介護専門職
  • 自身の老後の備えとして情報収集している方
「最近、歩き方がおかしい」「血圧が高いと言われたが、家でどう管理すればよいか」「むくみが続いているが受診の目安がわからない」——そのような具体的な疑問に、根拠をもって答えることを目指しています。
高齢者の疾患の基礎知識(全体像)
加齢によって起こる変化

加齢に伴い、臓器の予備能力(ストレスへの対応力)が低下します。若い頃は軽微な変化として見過ごされる症状も、高齢者では重篤な疾患のサインであることがあります。代表的な変化を以下に示します。

身体の変化 関連する主な疾患・状態
筋肉量・筋力の低下 サルコペニア、フレイル、転倒・骨折
動脈硬化の進行 高血圧、脳梗塞、心不全
膵臓機能・インスリン感受性の低下 糖尿病
免疫機能の低下 気管支炎・肺炎、帯状疱疹
神経系の変性 パーキンソン病、認知症
体温調節機能の低下 ヒートショック、熱中症
高齢者の疾患に共通する注意点
  1. 症状が出にくい・わかりにくい:高血圧や糖尿病の初期は自覚症状が乏しいことが多く、定期的な検査が重要です。
  2. 複数の疾患が同時に存在する(多疾患併存):一つの症状の背後に複数の疾患が隠れているケースがあります。
  3. 薬の影響を受けやすい:多剤併用(ポリファーマシー)により、副作用リスクが高まります。
  4. 生活機能への影響が大きい:疾患そのものより、それによる「動けなくなること」が生活の質(QOL)を大きく左右します。
重要: 本記事はあくまでも情報提供を目的としており、診断・治療は必ず医師の診察に基づいて行われます。症状が気になる場合は、早めに医療機関にご相談ください。
テーマ別の詳しい解説(各クラスター記事へ)
パーキンソン病

パーキンソン病は、脳の神経伝達物質「ドパミン」が減少することで、手のふるえ・筋肉のこわばり・動作の緩慢さ・姿勢保持の困難(姿勢反射障害)などが現れる神経変性疾患です。65歳以上の約1〜1.5%に見られるとされており、決してまれではありません。初期には「なんとなく動きが鈍くなった」「字が小さくなった」と感じることがあり、見過ごされるケースもあります。進行に伴い、在宅での転倒リスクや誤嚥(ごえん)リスクが高まるため、早期からの対応が大切です。

詳しくは → パーキンソン病とは?初期症状・進行・在宅での注意点

高齢者の糖尿病

高齢者の糖尿病は、若い世代と比べて低血糖に気づきにくい症状が非典型的認知機能への影響が出やすいという特徴があります。のどの渇きや多尿といった典型的な糖尿病の症状が目立たないまま進行し、急な体重減少や疲労感、傷が治りにくいといった形で表れることがあります。

日本糖尿病学会・日本老年医学会の合同委員会が定めた「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」では、年齢や認知機能・身体機能に応じて目標値を個別化することが推奨されています。

詳しくは → 高齢者の糖尿病|症状・合併症・在宅での管理

高齢者の気管支炎

気管支炎は、気管支(気道)に炎症が生じる疾患で、高齢者ではウイルス・細菌感染後に肺炎へ移行するリスクが特に高い点に注意が必要です。せき・痰・発熱が主な症状ですが、高齢者では発熱が目立たず「元気がない」「食欲がない」という形で表れることもあります。また、誤嚥性肺炎(食べ物や唾液が誤って気管に入ることで起こる肺炎)は高齢者の肺炎の大きな原因となっています。

詳しくは → 高齢者の気管支炎|症状・肺炎との違い・受診の目安

フレイル

フレイルとは、加齢に伴って心身の活力が低下し、健康と要介護状態の中間にある段階を指します。日本老年医学会が定義するフレイルの評価基準(Friedの表現型モデルなど)では、①体重減少、②疲労感、③活動量の低下、④歩行速度の低下、⑤握力の低下の5項目のうち3項目以上に該当する場合にフレイルと判断されます。

フレイルは適切な介入によって改善が期待できる可逆的な状態です。栄養管理・運動・社会参加が予防の柱とされています。サルコペニア(筋肉量・筋力の低下)とも深く関連しており、サルコペニアとは?診断基準・予防・フレイルとの違いの記事もあわせてご参照ください。

詳しくは → フレイルとは?チェック方法・予防・要介護との関係

高齢者の高血圧

高血圧は高齢者に最も多い慢性疾患の一つです。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」では、75歳未満の成人と同様に、75歳以上でも降圧療法の有益性が示されています。一方で、過度な降圧は立ちくらみや転倒のリスクを高めることもあるため、個人の状態に応じた管理が求められます。

高血圧そのものは多くの場合自覚症状に乏しく、「サイレントキラー」とも呼ばれます。脳梗塞・心不全・腎不全といった重大な合併症を防ぐためにも、家庭での血圧測定と定期的な受診が大切です。脳梗塞の前兆については脳梗塞の原因と前兆|高齢者が知るべき予防と受診もご確認ください。

詳しくは → 高齢者の高血圧|症状・基準値・在宅での血圧管理

ヒートショック

ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が大きく変動し、心筋梗塞・脳梗塞・失神などを引き起こすことがある状態です。特に冬季の入浴時に多く、暖かいリビングから寒い脱衣所・浴室への移動が引き金となります。消費者庁の注意喚起によれば、入浴中の急死は年間約1万9,000人(推計)とされており、高齢者で顕著です。

高血圧・糖尿病・心疾患を持つ方は特にリスクが高く、浴室の温度管理や入浴前後の水分補給といった日常的な予防が重要です。心不全によるむくみが気になる方は心不全によるむくみ(浮腫)|原因と在宅での観察もご参照ください。

詳しくは → ヒートショックとは?高齢者に多い原因と予防法

そのほかの重要な疾患

上記のほか、高齢者に多い疾患として以下の記事もご活用ください。

費用・制度・利用の流れ
高齢者の疾患に関わる医療・介護サービスを利用する際には、複数の公的制度を活用できます。
主な関連制度
制度 対象・概要
医療保険 70歳以上は原則1〜3割負担(所得に応じて異なる)
介護保険 要介護認定を受けた方が対象。訪問診療・訪問看護・通所リハビリなどが利用可能
高額療養費制度 月ごとの医療費自己負担に上限が設けられる
難病医療費助成制度 パーキンソン病・ALSなど指定難病の方は医療費の一部が助成される
障害者手帳・障害年金 一定の障害がある場合、福祉サービス・経済的支援が受けられる
訪問診療の利用の流れ
  1. かかりつけ医または医療機関への相談 → 在宅医療の適応・必要性の確認
  2. ケアマネジャーとの調整 → ケアプランへの組み込み
  3. 訪問診療のスタート → 定期的な医師の訪問と、必要に応じた訪問看護・薬剤師との連携
  4. 定期的な評価・見直し → 状態変化に応じて治療方針やサービス内容を調整
制度の詳細は市区町村の窓口や担当ケアマネジャーにご確認ください。
あざみ野の訪問診療で対応できること

メディカルクリニックあざみ野では、横浜市青葉区を中心に訪問診療・在宅医療を提供しています。高齢者に多い疾患の継続的な管理(高血圧・糖尿病・心不全・呼吸不全など)から、パーキンソン病・フレイルへの対応、がん緩和ケアまで、幅広く対応しています。

  • 定期的な訪問診療:月2回を基本に、病状に応じて頻度を調整
  • 緊急往診:急変時も可能な範囲で対応
  • 多職種連携:訪問看護師・薬剤師・ケアマネジャーとの連携
  • 在宅での検査・処置:採血・心電図・酸素管理など
通院が困難な方、退院後の継続的なフォローが必要な方、在宅でのターミナルケアをご検討の方はお気軽にご相談ください。
ご相談・お問い合わせ(CTA)

「訪問診療を受けられるか確認したい」「今の状態で在宅医療は利用できるか」など、まずはご相談ください。

初回のお問い合わせ時には、以下をご用意いただくとスムーズです。
  • 薬剤情報提供書またはお薬手帳の写し
  • 医療保険証・公費証明書・各種受給者証の写し
  • 介護保険証・介護保険負担割合証の写し
  • 限度額適用認定証等の写し
  • 印鑑
よくある質問(FAQ)

Q1. 高齢者の「フレイル」と「要介護」は違うのですか?

A. はい、異なる概念です。フレイルは「健康と要介護の中間」の状態であり、適切な介入によって改善が期待できる段階です。一方、要介護は介護保険上の認定区分であり、心身の機能障害が一定以上に達した状態を指します。フレイルを早期に発見・対処することが、要介護状態への移行を防ぐ上で重要とされています。詳しくはフレイルとは?チェック方法・予防・要介護との関係をご覧ください。

Q2. 高齢者の高血圧は、若い人と管理の仕方が異なりますか?

A. 基本的な方針(塩分制限・適度な運動・服薬)は共通しますが、高齢者では過度な降圧による立ちくらみ・転倒リスクを避けるため、目標血圧値が個人の状態によって異なります。また、認知機能や腎機能・使用薬剤との相互作用にも注意が必要です。主治医と相談しながら管理方針を決めることが大切です。

Q3. 脳梗塞の初期症状はどのように見分ければよいですか?

A. 脳梗塞の前兆・初期症状を見極める指標として「FAST」が広く知られています。F(Face):顔の一側がゆがむ、A(Arm):片腕が上がらない・脱力する、S(Speech):言葉が出ない・ろれつが回らない、T(Time):これらが現れたらすぐに119番へ。症状が一時的に回復しても再発のリスクがあるため、必ず医療機関を受診してください。詳しくは脳梗塞の原因と前兆|高齢者が知るべき予防と受診をご覧ください。

Q4. 訪問診療と往診の違いは何ですか?

A. 訪問診療は、通院が困難な患者のもとへ医師が定期的に訪問し、計画的に診療を行うものです。一方、往診は患者の急変時などに医師が臨時で出向くことを指します。訪問診療は継続的な疾患管理が目的であり、在宅での健康状態の把握・薬の調整・多職種との連携も含まれます。

Q5. パーキンソン病はどのくらい進行するのですか?家で見ていけますか?

A. パーキンソン病の進行速度は個人差が大きく、薬物療法や生活上の工夫によって、長期間にわたって在宅生活を継続できる方も多くいます。一方で、転倒・誤嚥・認知機能の変化などへの対応が在宅生活の継続において重要になります。主治医・訪問看護師・理学療法士など多職種での支援体制を整えることが大切です。詳しくはパーキンソン病とは?初期症状・進行・在宅での注意点をご覧ください。

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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/メディカルクリニックあざみ野
専門:消化器外科 / 在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全
略歴
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
メディカルクリニックあざみ野 在宅医療のご案内

在宅医療・訪問診療、高齢者医療やがん緩和ケア、心不全・呼吸不全の療養について、気になることがあればお気軽にご相談ください。「通院が難しくなってきた」「退院後の療養を自宅で続けたい」「在宅でのターミナルケアを検討したい」など、どのような段階からでもご相談をお受けしています。

在宅医療のご相談・お問い合わせ

TEL:045-978-0455

ご相談の際は、以下の書類等をご用意いただくとスムーズです。

  • 薬剤情報提供書またはお薬手帳の写し
  • 医療保険証・公費証明書・各種受給者証の写し
  • 介護保険証・介護保険負担割合証の写し
  • 限度額適用認定証等の写し
  • 印鑑

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