親の介護が始まったら|最初にやること・相談先

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親の介護が始まったら|最初にやること・相談先

親の介護が必要になったとき、「何から手をつければよいかわからない」と感じる方は少なくありません。まず知っておきたいのは、介護は一人で抱え込まず、公的制度と専門職を上手に活用することが重要だという点です。本記事では、介護の基本的な仕組みから、家族が直面しやすい心理的な負担、相談窓口の選び方まで、わかりやすく解説します。

本記事は在宅医療・高齢者医療を専門とする佐藤靖郎医師(医学博士)の監修のもとで作成しています。個別の診断・治療については、必ず担当医にご相談ください。

親の介護とは?

「親の介護」とは、加齢・疾患・障がいなどによって日常生活動作(ADL)が低下した親に対し、家族が生活上の援助を行うことを指します。要介護状態は、転倒や骨折、認知症、脳血管疾患、慢性疾患の進行などをきっかけに始まることが多く、突然家族が介護者の役割を担うケースも少なくありません。

介護は突然始まることが多く、「親が転倒して入院した」「認知症の診断が出た」などをきっかけに、十分な準備のないまま対応が必要になることがあります。まずは現在の親の状態を正確に把握し、利用できる制度を早期に確認することが、長期的な介護生活を安定させる第一歩です。

仕組み・種類

介護保険制度の概要

日本では40歳以上の方が介護保険に加入し、65歳以上(特定疾病がある場合は40歳以上)で要介護・要支援認定を受けると、各種の介護サービスを一定の自己負担で利用できます。

区分 代表的なサービス
居宅サービス 訪問介護・訪問看護・通所介護(デイサービス)・福祉用具貸与 など
施設サービス 特別養護老人ホーム・介護老人保健施設 など
地域密着型 小規模多機能型居宅介護・グループホーム など
医療系サービス 訪問診療・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導 など

最初にすること:要介護認定の申請

介護サービスを利用するには、市区町村の窓口または地域包括支援センターへ要介護認定の申請を行います。認定調査・主治医意見書をもとに「要支援1〜2/要介護1〜5」のいずれかに区分され、利用できるサービスの上限額が決まります。

メリット・デメリット

在宅介護のメリット

  • 親が住み慣れた環境で生活を続けられる
  • 家族が日常的に状態変化に気づきやすい
  • 訪問診療・訪問看護などを組み合わせることで、医療的管理も自宅で行える

在宅介護のデメリット・リスク

  • 主介護者の身体的・精神的負担が蓄積しやすい
  • 仕事との両立が困難になり、介護離職につながる場合がある
  • 緊急時の対応に不安が残ることがある

これらの負担を軽減するためには、一人に負担を集中させない体制づくりと、介護保険サービスや医療支援の早期導入が重要です。

在宅での管理・注意点

① 服薬・通院の管理

複数の薬を服用している高齢者では、飲み忘れや飲み合わせのリスクがあります。お薬手帳を一冊にまとめ、かかりつけ医・薬剤師と定期的に確認しましょう。

② 転倒・骨折の予防

高齢者の転倒は骨折や寝たきりにつながる大きな要因です。室内の段差解消、手すりの設置、滑りにくい履物の使用など、生活環境の見直しが大切です。

③ 栄養・水分管理

食欲低下や嚥下機能の低下が見られる場合は、低栄養や脱水のリスクがあります。早めに主治医や管理栄養士へ相談してください。

④ 介護者自身の健康管理

介護者が体調を崩すと、介護そのものが継続できなくなります。定期的な健康診断、十分な睡眠、休息の確保を意識することが大切です。

受診・相談の目安

以下のような状況が見られたら、早めに専門機関へ相談することをおすすめします。

  • 親が急に物忘れをするようになった、徘徊がみられる
  • 食事・排泄・入浴など日常生活動作が一人では難しくなってきた
  • 転倒・骨折などのリスクが高まっている
  • 医療的処置(点滴・胃ろう管理・酸素療法など)が必要になった
  • 介護者自身がつらさ・限界を感じている

相談窓口としては、地域包括支援センターが最初の窓口として利用しやすく、ケアマネジャーの選定から介護保険申請のサポートまで無料で対応しています。医療的な支援が必要な場合は、在宅医療・訪問診療の専門クリニックへの相談も選択肢の一つです。

在宅医療のご相談・お問い合わせはこちらからどうぞ。

関連キーワード補足

「親の介護 メンタル やられる」「親の介護 人生終わった」と感じたとき

介護による精神的疲弊は決して珍しいことではありません。「もう限界」「自分の人生が終わった気がする」という感覚は、SOSのサインとして受け止め、一人で抱え込まないことが最優先です。

詳しくは 介護うつとは?サイン・原因・相談先と対処法 をご参照ください。

「親の介護 イライラする」「親の介護 私ばかり」という思い

介護中のイライラや不公平感は、多くの家族が経験する自然な感情です。特に兄弟姉妹間で負担が偏ると、燃え尽きや対立につながることがあります。

「親の介護 退職」を検討している方へ

介護を理由に退職する前に、まずは介護休業制度や介護休暇の活用を検討してください。離職は経済的・社会的な影響が大きく、在職しながらサービスを組み合わせることで継続できるケースも少なくありません。

「死生観」と介護の意思決定

親の介護が進む中で、延命治療や看取りについて考える場面が訪れることがあります。日頃から親本人の意思(アドバンス・ケア・プランニング)を確認しておくことが、終末期の意思決定を家族全体で支える基盤になります。

詳しくは 死生観とは?終末期の意思決定と家族の向き合い方 をご覧ください。

また、家族の心理的負担については、親ピラーページ 介護する家族の負担とこころのケア もあわせてご参照ください。

あざみ野の訪問診療によるサポート

メディカルクリニックあざみ野では、在宅医療・訪問診療を通じて、ご自宅での療養を医療面から支援しています。

  • 訪問診療:定期的に医師が自宅を訪問し、慢性疾患の管理・薬の調整・療養指導を行います
  • 緩和ケア対応:がん・心不全・呼吸不全など、病状が進んだ方の苦痛緩和にも対応しています
  • 多職種連携:ケアマネジャー・訪問看護師・薬剤師と連携し、在宅療養を包括的にサポートします

「訪問診療を受けられるか確認したい」「今後の療養方針について相談したい」という段階でのお問い合わせも歓迎しています。

👉 在宅医療のご相談・お問い合わせ

📞 TEL:045-978-0455

よくある質問(FAQ)

Q1. 要介護認定の申請はどこにすればよいですか?

A. お住まいの市区町村の介護保険担当窓口、または地域包括支援センターで受け付けています。家族が代理で申請することも可能です。

Q2. 介護保険サービスと医療保険の訪問診療は併用できますか?

A. 原則として併用可能です。訪問診療(医療保険)とヘルパーや訪問看護(介護保険)を組み合わせることで、医療と生活支援を自宅で受けられます。詳細はケアマネジャーまたは主治医にご確認ください。

Q3. 介護のことを誰に相談したらよいかわかりません。

A. まずは地域包括支援センターへの相談をおすすめします。ケアマネジャーの紹介、介護保険の手続き、地域資源の案内など幅広く支援を受けられます。医療的な相談は在宅医療クリニックや主治医にご相談ください。

Q4. 介護者自身が精神的につらいときはどうすればよいですか?

A. 介護者のメンタルヘルスは非常に重要です。地域包括支援センター・精神科・心療内科への相談のほか、介護者同士のピアサポートも役立つことがあります。症状が続く場合は早めの受診をご検討ください。

Q5. 親が「施設に入りたくない」と言っています。在宅での医療管理は可能ですか?

A. 病状や医療的ニーズによりますが、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリを組み合わせることで、多くの場合は在宅療養を継続できます。具体的な対応可否は医師にご相談ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/メディカルクリニックあざみ野 院長

専門:消化器外科 / 在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全
略歴:
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割:
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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ご相談の際は、以下をご用意いただくとスムーズです。

  • 薬剤情報提供書またはお薬手帳の写し
  • 医療保険証・公費証明書・各種受給者証の写し
  • 介護保険証・介護保険負担割合証の写し
  • 限度額適用認定証等の写し
  • 印鑑