床ずれの初期症状と対処|写真でわかる進行度

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床ずれの初期症状と対処|写真でわかる進行度

床ずれ(褥瘡)は、皮膚への持続的な圧迫によって起こる組織障害です。初期段階では「ちょっと赤い」「少し硬い」程度に見えますが、適切なケアを行わないと短期間で深刻な状態に進行することがあります。本記事では、床ずれの定義から初期サインの見分け方、家庭での対応方法、受診を検討すべきタイミングまでをわかりやすく解説します。

褥瘡の原因・好発部位・在宅での予防策については、親ピラー記事
褥瘡(床ずれ)・皮膚・清潔ケア ガイド
もあわせてご参照ください。

床ずれとは?(定義・結論を最初に)

床ずれ(褥瘡〔じょくそう〕)とは、身体の特定部位が長時間にわたって圧迫されることで血流が途絶え、皮膚や皮膚の下の組織が傷つく状態です。日本褥瘡学会のガイドラインでは、「身体に加わった外力によって骨と皮膚表層の間の軟部組織が、循環障害に陥り、持続する虚血状態に起因して生じた組織損傷」と定義されています。
「床ずれ」という言葉は、長時間床に横たわることで皮膚がずれて傷つく様子が語源とされています。医療・介護現場では主に褥瘡(じょくそう)という用語が使われます。読み方はじょくそうです。寝たきり状態や車椅子での長時間座位など、体位変換が難しい方に多く見られ、介護をする家族やケアマネジャーが早期に気づくことが重要です。

主な症状・初期サイン

床ずれの症状は進行度によって異なります。日本褥瘡学会の分類(DESIGN-R®など)を参考に、段階ごとの特徴を示します。

進行度の目安 主な皮膚の状態
初期(ステージⅠ相当) 皮膚の発赤(赤み)。押しても色が戻らない
浅い損傷(ステージⅡ相当) 水ぶくれ、びらん(表面がただれた状態)
深い損傷(ステージⅢ相当) 皮下組織に達する潰瘍(かいよう)
さらに深い損傷(ステージⅣ相当) 骨・腱・筋肉が露出するほどの深い傷

初期段階では、骨の突き出た部位(仙骨部・かかと・肘など)が赤くなることが最初のサインです。皮膚の赤みに気づいたら、指で軽く押してみてください。押すと白くなり、離すと元の赤みに戻る場合は「反応性充血」と呼ばれる状態で、まだ初期対応が可能なことが多いです。

一方、押しても色が変わらない発赤(指押し不変性発赤)は、組織障害が始まっているサインと考えられます。

見逃しやすいサイン

  • 皮膚の硬化・浮腫(むくみ)
    周囲に比べてやや硬い、または少し腫れているように感じられる
  • 局所的な熱感
    触れると他の部位より温かく感じる
  • 皮膚の変色
    赤みのほか、紫・暗褐色に変色している(特に深部組織損傷では、表面は軽微でも内部が傷ついていることがある)
  • 本人の訴え
    「そこが痛い」「しみる」「むずむずする」という違和感

特に皮膚の色が黒ずんでいる方(色素沈着が強い方)は、赤みが見えにくいため、触診(熱感・硬さ)や本人の訴えに注意が必要です。

原因・なりやすい人

床ずれの主な原因は次の3つの外力です。

  1. 圧迫:骨と接地面の間で皮膚・組織が長時間圧迫される
  2. ずれ力(シア力):体がずり下がるときに皮膚と骨の間で生じる引っ張り・ずれ
  3. 摩擦:体位変換やおむつ交換の際の摩擦

これらに加えて、皮膚の湿潤(失禁・発汗)が皮膚のバリア機能を低下させ、床ずれを悪化させやすくします。

特になりやすい状態

  • 寝たきり、または長時間の車椅子使用
  • 低栄養・体重減少(皮下脂肪・筋肉量の低下)
  • 糖尿病や末梢血管疾患など血流に影響する疾患
  • 尿・便失禁による皮膚の湿潤
  • 感覚障害(痛みを感じにくい状態)
  • 高齢による皮膚の菲薄化(ひはくか)・乾燥

好発部位(褥瘡好発部位)は、骨が突き出て圧迫を受けやすい箇所です。仰臥位(あおむけ)では仙骨部・かかと・後頭部、側臥位(横向き)では大転子部・肋骨・耳介、座位では坐骨部が多い傾向があります。詳しくは
褥瘡(床ずれ)とは?原因・好発部位・在宅での予防
をご参照ください。

家庭でできる対応・観察のポイント

初期サインを発見した際に、家庭でできる対応を紹介します。ただし、これらはあくまで観察・一時的なケアであり、専門職への相談・受診が前提です。

① 体位変換(ポジショニング)

少なくとも2時間ごとを目安に体位を変え、同じ部位への圧迫が続かないようにします。体位変換の際は、ずれ・摩擦を最小限にすることが大切です。

② 除圧グッズの活用

エアマットレスや体圧分散マットなどの使用が推奨されます。介護保険の福祉用具貸与が利用できる場合もあるため、ケアマネジャーにご相談ください。

③ 皮膚の清潔・保湿

失禁後は速やかに皮膚を清潔にし、保湿剤でスキンケアを行います。入浴介助の際は皮膚の状態を観察する大切な機会です。入浴介助の安全な方法については
入浴介助の手順と注意点|在宅での安全な方法
もご参考ください。

④ 栄養・水分補給

低栄養は皮膚の修復能力を低下させます。食事量の確認と必要に応じた栄養補助食品の活用も検討しましょう。

受診・相談の目安(危険なサイン)

以下のような状態が見られた場合は、速やかに医師や看護師に相談することをお勧めします。

  • 押しても色が戻らない赤みが出現した
  • 水ぶくれやただれができている
  • 傷口から膿(うみ)や異臭がある
  • 傷が黒く変色している(壊死の可能性)
  • 発熱など全身症状を伴っている

「大したことないかも」と様子を見ているうちに、皮膚の損傷が深部に進行するケースがあります。気になる変化があれば、介護担当者やかかりつけ医に早めに相談することが大切です。

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からお気軽にどうぞ。

関連キーワード補足

褥瘡(じょくそう)/褥瘡とは

床ずれの医学的名称です。骨突出部への持続圧迫による組織損傷を指します。

褥瘡 読み方

「じょくそう」と読みます。「じょうそう」と誤読されることがありますが、正しくは「じょくそう」です。

入浴介助

入浴時は皮膚の全体を観察できる機会であり、床ずれの早期発見に大変重要な場面です。安全な手順については専門職に確認しながら行いましょう。

あざみ野の訪問診療によるサポート

メディカルクリニックあざみ野では、在宅医療・訪問診療の一環として褥瘡のケアと管理をサポートしています。「傷の状態が気になる」「ケアの方法を教えてほしい」といったご相談にも、医師・看護師が丁寧に対応いたします。

訪問診療では、定期的な皮膚の観察・処置・栄養管理の指導など、多職種が連携してお身体を支えます。一人で悩まず、まずはお気軽にご連絡ください。

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📞 TEL: 045-978-0455

よくある質問(FAQ)

Q1. 床ずれと褥瘡は同じものですか?

A. はい、同じ状態を指します。「床ずれ」は一般的な呼び方、「褥瘡(じょくそう)」は医療・介護現場で用いられる医学的名称です。

Q2. 初期の赤みはどのくらいで治りますか?

A. 圧迫を取り除き、適切なケアを行うことで、ごく初期の発赤(反応性充血)は数時間〜数日で改善することがあります。ただし、個人差が大きく、進行度によっても異なります。改善が見られない場合は医療専門職にご相談ください。

Q3. 市販の創傷被覆材(絆創膏・フィルム材など)を使っていいですか?

A. 軽微な段階では使用する場合もありますが、適切な製品の選択と貼り方には専門的な知識が必要です。自己判断での処置は傷を悪化させる場合もありますので、まず訪問看護師や医師に確認することをお勧めします。

Q4. 床ずれは予防できますか?

A. すべてのケースで予防できるとは言えませんが、こまめな体位変換・体圧分散マットの使用・皮膚の清潔と保湿・適切な栄養管理を組み合わせることで、発症リスクを低減できると考えられています。

Q5. 在宅療養中でも訪問診療で褥瘡の処置を受けられますか?

A. はい、訪問診療では医師・看護師が自宅に伺い、褥瘡の状態観察・処置・ケア方法の指導などを行うことが可能です。詳しくはお問い合わせください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)

医師(医学博士)/メディカルクリニックあざみ野 院長

専門:消化器外科 / 在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全
略歴
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
公的役割
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役

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