- 認知症にはどんな種類があるのか
- 初期症状はどのように現れるのか
- 診断・検査はどのように進むのか
- 介護保険など利用できる制度・費用感は?
- 訪問診療でどこまで対応できるのか
- 介護をする家族の方:「親が最近もの忘れが多い」「夜間に徘徊が始まった」「病院への受診が難しい」
- ケアマネジャーの方:「利用者の認知症の状態像を整理したい」「日常生活自立度の判定基準を確認したい」「認知症介護研修について調べている」
| 種類 | 割合の目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| アルツハイマー型認知症 | 約60〜70% | 記憶障害が先行し、緩やかに進行する |
| 血管性認知症 | 約15〜20% | 脳梗塞・脳出血後に発症しやすく、段階的に進行 |
| レビー小体型認知症 | 約10〜20% | 幻視・パーキンソン症状・認知機能の変動が特徴 |
| 前頭側頭型認知症 | 数% | 人格変化・常同行動が目立ち、比較的若い年代にも発症 |
中核症状は脳の神経細胞が損傷することで直接生じる症状です。
- 記憶障害:体験したこと自体を忘れる(例:食事したことを覚えていない)
- 見当識障害:今日の日付・現在地・人物などがわからなくなる
- 判断力の低下:状況に応じた適切な行動がとれない
- 実行機能障害:段取りを立てて物事を進める能力の低下
- 失語・失認・失行:言葉や物の意味がわからなくなる、道具の使い方を忘れるなど
BPSD(行動・心理症状)は、中核症状を背景に、本人の性格・環境・人間関係などが複合的に作用して生じる症状です。徘徊・興奮・暴言・抑うつ・幻覚・妄想・睡眠障害などが含まれます。BPSDは適切なケアや環境調整により軽減できる場合があります。詳細はBPSD(認知症の行動・心理症状)の種類と対応をご覧ください。
認知症の初期症状10のサイン・早期発見チェックリストを参考に、気になる症状がある場合は早めに医療機関へご相談ください。
- 問診:本人・家族からの症状経過・生活状況の聴取
- 認知機能検査:長谷川式認知症スケール(HDS-R)やMMSE(ミニメンタルステート検査)などのスクリーニングテスト
- 画像検査:頭部MRI・CTによる脳萎縮・血管病変の確認
- 血液検査:甲状腺機能低下症・ビタミン欠乏など治療可能な原因の除外
検査方法の詳細は認知症の検査方法一覧(MMSE・長谷川式・受診の目安)をご覧ください。
幻視・パーキンソン症状・認知機能の日内変動を特徴とする認知症の一型。アルツハイマー型との違いや注意すべき薬剤についても解説しています。
最も患者数の多いアルツハイマー型認知症の初期〜末期の進行段階、寿命の目安、介護のポイントをまとめています。
介護保険の要介護認定や施設・在宅サービスの利用において参照される「日常生活自立度」の判定基準をわかりやすく解説します。ケアマネジャーの実務にも役立つ内容です。
2024年度から義務化された認知症介護基礎研修について、対象者・受講方法・カリキュラム内容を解説しています。介護施設スタッフや訪問介護員の方にご活用ください。
利用までの主な流れ
- 市区町村の窓口(または地域包括支援センター)に申請
- 認定調査員による心身状態の調査
- 主治医の意見書作成(医師が担当)
- 介護認定審査会による判定(要支援1〜2・要介護1〜5)
- ケアプランの作成(ケアマネジャーが担当)
- サービス利用開始
| 制度・サービス | 概要 |
|---|---|
| 介護保険 | 要介護認定後、在宅・施設サービスを自己負担1〜3割で利用可能 |
| 認知症初期集中支援チーム | 医療・介護の専門職が自宅を訪問し、適切なサービス利用を支援 |
| 成年後見制度 | 判断能力が低下した方の財産管理・法律行為を支援 |
| 高額介護サービス費 | 月々の利用者負担が一定額を超えた場合に払い戻しを受けられる制度 |
訪問診療での主な対応内容(例)
- 認知機能の定期的な評価・経過観察
- 認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害薬など)の処方・調整
- BPSDへの対応(薬物療法・環境調整のアドバイス)
- 併存疾患(高血圧・糖尿病・心不全など)の管理
- 看取りを含めた終末期ケアの相談
- 介護家族・ケアマネジャーとの連携・情報共有
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加齢によるもの忘れは、ヒントがあれば思い出せたり、体験の一部を忘れる程度です。認知症のもの忘れは、体験したこと自体が記憶に残らない・同じ話を短時間に何度も繰り返すなど、生活に支障をきたすレベルで現れます。気になる場合は医師にご相談ください。
早期に診断を受けることで、治療薬の開始・生活環境の整備・介護保険サービスの早期利用が可能になります。また、本人が意思決定できる段階で今後の療養方針(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)を話し合えることも重要なメリットです。なお、治療効果には個人差があり、進行を完全に止めることが保証されるわけではありません。
長谷川式認知症スケール(HDS-R)は、日付・場所・記憶・計算などに関する9つの質問から構成される認知機能のスクリーニング検査です。30点満点で、一般に20点以下が認知症の疑いとされますが、あくまで補助的な指標であり、確定診断には医師による総合的な評価が必要です。
認知症の方の行動には、脳機能の変化による理由があります。「なぜわからないの」と責めず、本人の感情に寄り添う姿勢が大切です。また、介護者自身の心身の負担が蓄積しやすいため、定期的にレスパイト(一時休息)を取ることや、ケアマネジャー・医師・地域包括支援センターへ早めに相談することをおすすめします。
訪問診療は、あらかじめ計画を立てて医師が定期的にご自宅へ訪問する診療です。往診は、急な体調変化などに対応して医師が臨時に訪問するものです。認知症の在宅療養では、定期的な状態評価を行う訪問診療が基本となります。
医師(医学博士)/メディカルクリニックあざみ野 院長
専門:消化器外科 / 在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全
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ご相談の際にご用意いただくとスムーズなもの
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