訪問看護とは、看護師や理学療法士などの専門職が自宅を訪問し、療養上の世話や医師の指示に基づく医療行為を提供するサービスです。介護保険・医療保険の両方から利用でき、在宅での生活継続を支える中心的な役割を担います。本記事では、訪問看護でできることの具体的な内容から費用の目安・申請方法まで、介護をされているご家族やケアマネジャーの方に向けてわかりやすく解説します。
本記事の内容は医学的情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を保証するものではありません。実際の利用にあたっては必ず担当医・ケアマネジャーにご相談ください。
まず、在宅医療全体の仕組みについては 訪問診療・在宅医療 完全ガイド|あざみ野の在宅医療 もあわせてご覧ください。
訪問看護とは?
訪問看護とは、訪問看護ステーションや病院・診療所に所属する看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、医師の指示書(訪問看護指示書)に基づいて療養上の世話や診療の補助を行うサービスです。
厚生労働省の定義では「疾病または負傷により居宅において継続して療養を受ける状態にある者に対し、その者の居宅において看護師等が行う療養上の世話または必要な診療の補助」と位置づけられています。
訪問看護でできること(主なサービス内容)
在宅酸素療法を受けている方の場合、酸素濃縮器の管理や緊急時対応の指導なども看護師が担います。
費用の内訳と相場
訪問看護の費用は、介護保険を使う場合と医療保険を使う場合で体系が異なります。どちらを適用するかは、利用者の状態や主治医の判断によって決まります(原則として、要介護認定を受けている65歳以上の方は介護保険が優先)。
初期費用/月額の目安
介護保険の場合(1割負担の例)
訪問看護の月額費用は、週1〜3回程度の利用(1時間未満)で月6,000円〜20,000円前後(1割負担の場合)が一般的な目安です。ただし、加算や地域差によって変動します。
医療保険の場合
難病・がん末期・急性増悪などの重症者は医療保険が適用されます。自己負担割合(1〜3割)と訪問回数・時間帯によって金額が変わります。週3回が基本で、特定の疾患では制限が緩和されます。
負担額は世帯収入や各種制度の適用により異なります。詳細はケアマネジャーまたは担当医にご確認ください。
費用を抑える制度・軽減措置
- 高額療養費制度(医療保険適用の場合): 1か月の自己負担額に上限が設けられます。
- 高額介護サービス費(介護保険適用の場合): 月の上限を超えた分は払い戻されます。
- 特定疾患医療受給者証・障害者医療費助成: 難病や障害認定を受けている場合、医療費が軽減される場合があります。
- 介護保険負担限度額認定: 低所得の方は負担が軽減されます。
これらの制度を組み合わせることで、実際の自己負担を大きく抑えられるケースがあります。主治医・ケアマネジャー・ソーシャルワーカーへの相談をお勧めします。
費用シミュレーション例
例: 80歳・要介護3・1割負担の方が週2回(1時間未満)訪問看護を利用する場合
- 1回あたり負担額(目安): 約810円
- 月8回利用: 約6,500円
- 各種加算(管理療養費・サービス提供体制強化加算等)を含めると月8,000〜12,000円前後が目安
※あくまでも概算です。実際の費用は事業所・地域・加算内容によって異なります。
訪問看護と訪問介護(身体介護・生活援助)は別のサービスです。訪問介護との違いや組み合わせ方については 訪問介護(ホームヘルプ)とは?内容・料金・訪問看護との違い をご参照ください。
申請・利用開始までの流れ
- 主治医・ケアマネジャーへ相談
「訪問看護を使いたい」と伝えることが出発点です。 - 要介護認定の確認
介護保険を使う場合は要介護(要支援)認定が必要です(未認定の場合は申請手続きを行います)。 - 訪問看護指示書の発行
主治医が訪問看護指示書を作成します。これがなければサービスを開始できません。 - 訪問看護ステーションと契約
ケアマネジャーの紹介や地域包括支援センターを通じて事業所を選定し、契約します。 - サービス開始
訪問日程・回数を調整し、利用を開始します。
医師が自宅を訪問する訪問診療と組み合わせることで、より包括的な在宅医療体制を整えることができます。
関連キーワード補足
訪問看護と訪問介護の違い
訪問看護は看護師・療法士が行う「医療・療養上のケア」、訪問介護(ホームヘルプ)はホームヘルパーが行う「身体介護・生活援助」です。医療行為(点滴・処置・リハビリ等)は訪問看護のみ実施できます。
居宅療養管理指導との関係
医師・薬剤師・管理栄養士などが自宅を訪問して療養指導を行う居宅療養管理指導は、訪問看護とは別のサービスです。詳しくは 居宅療養管理指導とは?対象・費用・訪問診療との関係 をご覧ください。
訪問入浴
入浴設備を持参して自宅での入浴を支援する訪問入浴介護は、訪問看護とは異なるサービスです。移動入浴車を使うため、寝たきりの方や感染リスクがある方にも対応しています。
在宅酸素療法(HOT)と訪問看護
慢性呼吸不全や心不全などで在宅酸素療法を受けている方は、酸素濃縮器の管理状況・呼吸状態のモニタリングを訪問看護で定期的に確認することが推奨されます(日本呼吸器学会ガイドライン参照)。
あざみ野の訪問診療によるサポート(CTA)
メディカルクリニックあざみ野では、訪問診療と訪問看護ステーションが連携した在宅医療体制を整えています。がん緩和ケア・心不全・呼吸不全・認知症など、さまざまな疾患の療養を在宅でサポートします。
「訪問看護を利用したいが、何から始めればよいかわからない」「費用の見通しを立てたい」など、些細なことでもお気軽にご相談ください。
📞 TEL 045-978-0455
よくある質問(FAQ)
Q1. 訪問看護は介護保険と医療保険、どちらが適用されますか?
A. 原則として、要介護(要支援)認定を受けている方は介護保険が優先されます。ただし、末期がん・難病・急性増悪などの場合は医療保険が適用されます。どちらの保険が適用されるかは主治医とケアマネジャーにご確認ください。
Q2. 訪問看護の回数に制限はありますか?
A. 介護保険では原則として週3回が目安ですが、医師が「特別訪問看護指示書」を発行した場合は、最大2週間連日の訪問が可能になります。医療保険の場合、疾患の種類によって週の回数制限が異なります。
Q3. 夜間や休日も対応してもらえますか?
A. 24時間対応の訪問看護ステーションでは、夜間・休日の緊急訪問に対応しています。契約時に対応可能な範囲を確認することをお勧めします。
Q4. 訪問看護と訪問診療を同時に利用できますか?
A. はい、併用できます。医師が定期的に訪問する訪問診療と看護師が療養管理を担う訪問看護を組み合わせることで、自宅での医療体制をより充実させることができます。
Q5. 要介護認定を受けていない場合、訪問看護は利用できますか?
A. 要介護認定を受けていない方でも、医療保険を使って訪問看護を利用できる場合があります。主治医の判断と訪問看護指示書が必要です。詳細は主治医にご相談ください。
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本記事の監修医師
佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/メディカルクリニックあざみ野 院長
専門: 消化器外科 / 在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全
1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。
厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。
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📞 TEL 045-978-0455
ご相談の際は、以下の書類・物品をご用意いただくとスムーズです。
- 薬剤情報提供書またはお薬手帳の写し
- 医療保険証・公費証明書・各種受給者証の写し
- 介護保険証・介護保険負担割合証の写し
- 限度額適用認定証等の写し
- 印鑑