成年後見制度とは?種類・手続き・費用をわかりやすく

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成年後見制度とは?種類・手続き・費用をわかりやすく解説

判断能力が低下した方の財産や権利を守るための法的な仕組みが成年後見制度です。認知症や知的障害、精神障害などにより、本人だけでは契約や財産管理が難しくなった場合に、家庭裁判所が選任した「後見人」が本人の代わりにサポートします。「手続きが複雑そう」「費用が高いのでは?」と不安を感じる方も多いですが、この記事では制度の仕組みから申請の流れ、費用の目安までわかりやすく解説します。

本記事は医学的・法的情報の提供を目的としています。個別の判断・手続きについては、家庭裁判所や専門家(弁護士・司法書士・社会福祉士等)にご相談ください。

成年後見制度とは?

成年後見制度は、法定後見任意後見の2種類に大別されます(民法・任意後見契約に関する法律に基づく)。

法定後見(3つの類型)

類型 対象となる判断能力の状態 後見人の権限
後見 ほぼ失われている 財産管理・身上監護に関するほぼすべての法律行為
保佐 著しく不十分 重要な法律行為(不動産売買・借金など)の同意・取消
補助 不十分 申立てで定めた特定の法律行為の同意・取消
  • 申立人:本人・配偶者・4親等内の親族など(一定の条件下で市区町村長申立ても可)
  • 選任機関:家庭裁判所

任意後見

本人の判断能力があるうちに、将来の後見人となる人物・支援内容をあらかじめ公正証書で契約しておく制度です。判断能力が低下した段階で、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任することで効力が生じます。

📌 介護保険との関係介護保険とは?対象・使い方・自己負担をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。成年後見制度と介護保険サービスは別制度ですが、組み合わせて活用することが多く、ケアマネジャーが調整役を担うケースも少なくありません。

費用の内訳と相場

初期費用/月額の目安

【初期費用】申立て時にかかる費用

項目 目安
申立手数料(収入印紙) 800円〜2,400円(類型による)
登記費用(収入印紙) 2,600円
鑑定費用(必要な場合) 5万〜10万円程度
戸籍謄本等の書類取得費 数千円程度
司法書士・弁護士への依頼費 10万〜30万円程度(依頼する場合)

鑑定は後見類型で求められることが多く、費用は申立人が一時的に負担します(後で本人の財産から充当されるケースあり)。

【継続費用】後見人への報酬(月額)

家庭裁判所が決定する「後見人報酬」が主な継続費用です。

管理財産額の目安 月額報酬の目安
1,000万円未満 約2万円
1,000万〜5,000万円 約3〜4万円
5,000万円超 約5〜6万円

※東京家庭裁判所の目安を参考。金額は事案の複雑さ・後見人の種別(専門職か親族か)によって異なります。

費用を抑える制度・軽減措置

①親族後見人の選任

後見人に親族が選任された場合、報酬を請求しないケースも多く、専門職後見人と比べて費用負担が少なくなることがあります。ただし、家庭裁判所が親族後見人を選任するかどうかは個別事情によります。

②成年後見制度利用支援事業

申立費用・報酬の助成制度です。費用の支払いが困難な方を対象に、市区町村が費用を助成する「成年後見制度利用支援事業」(介護保険法・障害者総合支援法に基づく)が設けられています。対象要件や助成額は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村窓口や地域包括支援センターにご確認ください。

③法テラス(日本司法支援センター)の利用

収入・資産が一定以下の場合、弁護士・司法書士費用の立替制度(審査あり)を利用できる場合があります。

📌 住民税非課税世帯の方は軽減措置を受けやすい場合があります。詳しくは住民税非課税世帯とは?介護費用への影響を解説をご参照ください。

費用シミュレーション例

【ケース例】80代・認知症(後見類型)、管理財産800万円、専門職後見人

項目 金額(目安)
申立費用(鑑定含む) 約8〜10万円
専門職後見人報酬(月額) 約2万円
年間合計(初年度概算) 約32〜34万円

2年目以降は後見人報酬(年約24万円)が主なコストとなります。

※あくまでも参考例です。実際の費用は家庭裁判所の審判・個別事情によって異なります。

申請・利用開始までの流れ

① 必要書類の準備
(戸籍謄本・診断書・財産目録 等)

② 家庭裁判所への申立て
(被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所)

③ 家庭裁判所による調査・審問(鑑定が必要な場合も)

④ 審判・後見開始の審判確定
(申立てから概ね1〜4ヶ月程度が目安)

⑤ 後見登記・後見人が業務開始

申立てから後見開始まで、通常1〜4ヶ月程度かかります(事案の複雑さによって変動)。緊急に財産保全が必要な場合は、申立て時に「審判前の保全処分」を同時に申請する方法もあります。

📌 老後の年金(厚生年金等)を後見人が管理するケースもあります。年金と介護費用の全体像については厚生年金と介護費用|老後の年金と負担の基礎知識もご参照ください。

「成年後見制度 ひどい」と検索される理由と正しい理解

インターネットでは「成年後見制度 ひどい」「成年後見制度 ひどい 知恵袋」などのキーワードで多くの相談・不満が共有されています。主に挙げられる課題を整理します。

よくある不満・課題

背景・補足
「一度始めると原則やめられない」 法定後見は本人の判断能力が回復しない限り継続。制度の性質上の制約
「親族が後見人になれなかった」 家庭裁判所が財産管理リスク等を考慮し専門職を選任するケースがある
「費用が高い」 専門職後見人の報酬が継続的にかかるため、財産が少ない場合は負担感が大きい
「後見人が財産を自由に使えない」 本人の財産保護が目的のため、家族への贈与や投資等は原則制限される

これらは制度の「不正防止・本人保護」という目的と、家族の利便性・コスト感との間にギャップがあることが主な要因です。制度利用を検討する際は、メリット・デメリットを事前に専門家(弁護士・司法書士・社会福祉士等)に確認することをお勧めします。

「成年後見制度 わかりやすく」まとめ

一言でいえば、「判断能力が低下した方の権利と財産を守るための公的な法的サポート」です。本人の意思・権利を尊重しながら、適切な医療・介護・財産管理が継続できるよう支援します。厚生労働省は「成年後見制度利用促進基本計画」を策定し、より利用しやすい制度への改善を進めています(厚生労働省「成年後見制度利用促進」特設ページ参照)。

あざみ野の訪問診療による在宅医療サポート

成年後見制度の利用検討と並行して、在宅での医療サポートが必要になるケースも少なくありません。認知症の進行・身体機能の低下により通院が困難になった方に対し、メディカルクリニックあざみ野では訪問診療(在宅医療)を提供しています。

  • 認知症の継続的な医学管理
  • 介護保険の主治医意見書の作成
  • ケアマネジャー・地域包括支援センターとの連携
  • がん緩和ケア・心不全・呼吸不全の在宅療養支援

成年後見制度の申立てに必要な「診断書(家庭裁判所所定様式)」の作成についても、主治医としてサポートできる場合があります。まずはお気軽にご相談ください。

在宅医療のご相談・お問い合わせ / TEL: 045-978-0455

よくある質問(FAQ)

Q1. 成年後見制度はいつから使えますか?
A. 判断能力の低下が生じた後であれば、いつでも申立てが可能です。ただし、任意後見は判断能力がある段階でのみ契約できます。早めに専門家へご相談されることをお勧めします。

Q2. 後見人には誰でもなれますか?
A. 家庭裁判所が選任します。親族・弁護士・司法書士・社会福祉士などが選ばれるケースがあります。破産者・本人に訴訟を起こされた者など、法律で定める欠格事由に該当する方は選任されません。

Q3. 成年後見人は介護サービスの契約もしてくれますか?
A. 後見人は「身上監護」の権限として、介護保険サービスの利用契約・施設入所契約等を本人に代わって行うことができます。ただし、実際の介護(入浴・食事介助等)を行う義務はありません。

Q4. 費用の助成を受けるにはどこへ相談すればよいですか?
A. お住まいの市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センター、または法テラス(0570-078374)へご相談ください。

Q5. 認知症の診断書はかかりつけ医に書いてもらえますか?
A. 家庭裁判所所定の書式による診断書の作成は、主治医(かかりつけ医)が対応できる場合があります。書式は裁判所のウェブサイトからダウンロード可能です。訪問診療を利用されている場合は、担当医師にご相談ください。

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本記事の監修医師

佐藤 靖郎(さとう やすお)
医師(医学博士)/メディカルクリニックあざみ野 院長
専門:消化器外科 / 在宅医療・高齢者医療・がん緩和ケア・心不全・呼吸不全

略歴:1988年 福島県立医科大学医学部卒業、医師免許取得。1997年 同大学大学院修了、博士号取得。国立国際医療研究センター、東京新宿メディカルセンター、NTT東日本関東病院、横浜市立大学関連病院、国立病院機構横浜医療センター外科医長・救命救急センター副部長、済生会若草病院(横浜市)外科部長・内視鏡センター・診療部長を歴任。丸亀医療センター・佐々木病院副理事長、日立おおみか病院理事を経て現在に至る。

公的役割:厚生労働省「地域連携クリティカルパスモデルの開発」班研究員、全国保健所長会 地域連携パス推進班アドバイザー、神奈川県がん診療連携協議会 地域連携クリティカルパス部会 相談役。

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ご相談の際は、以下の書類等をご用意いただくとスムーズです。

  • 薬剤情報提供書またはお薬手帳の写し
  • 医療保険証・公費証明書・各種受給者証の写し
  • 介護保険証・介護保険負担割合証の写し
  • 限度額適用認定証等の写し
  • 印鑑