在宅での褥瘡管理

褥瘡(じょくそう・床ずれ)は、長時間同じ姿勢でいることにより、体重で圧迫された皮膚や皮下組織に血流障害が生じ、組織が壊死する状態です。当院では、褥瘡の予防から治療まで、在宅での適切なケアをサポートいたします。

褥瘡について

褥瘡は予防と早期発見が最も重要です。当院の訪問診療では、定期的な皮膚の観察と評価を行います。

  • 好発部位:仙骨部、踵、尾骨、大転子部、腸骨部、肩甲骨、後頭部など
  • ステージ分類:褥瘡の深さや状態によりDESIGN-Rという指標で評価します
  • リスク評価:OH(Ohura-Hotta)スケールやBradenスケールを用いて評価します
  • ハイリスク患者:高齢者、寝たきり状態、栄養不良、糖尿病、末梢血管障害がある方など

予防と早期発見

褥瘡は適切な予防ケアで90%以上防ぐことができます。

体位変換

2時間ごとの体位変換を基本とし、患者様の状態に応じて調整します

適切な寝具

エアマットレスやウレタンマットレスなど、圧分散寝具の導入をサポート

  • 皮膚の清潔保持:適切な清拭・入浴方法をご指導します
  • スキンケア:保湿剤の使用や適切な皮膚保護剤の選択をアドバイスします
  • 早期発見のポイント:皮膚の発赤、熱感、痛みなどの初期症状を見逃さないよう指導します

在宅での褥瘡ケア方法

褥瘡が発生した場合、適切な処置と管理が必要です。当院では、状態に応じた最適な治療方法を提案します。

創傷評価

サイズ、深さ、滲出液、感染の有無などを総合的に評価します

洗浄・消毒

生理食塩水などによる適切な創部洗浄を行います

ドレッシング材選択

褥瘡の状態に合わせた最適なドレッシング材を選択します

外用薬治療

創の状態に合わせた外用薬を処方します

栄養管理

褥瘡の予防・治癒には適切な栄養摂取が不可欠です。

  • タンパク質:創傷治癒に必要なタンパク質を十分に摂取できるよう支援します
  • ビタミン・ミネラル:特にビタミンC、亜鉛など創傷治癒に必要な栄養素の摂取を促します
  • 水分摂取:適切な水分摂取量を保つよう指導します
  • 栄養評価:定期的に栄養状態を評価し、必要に応じて栄養補助食品を提案します

よくあるご質問

寝返りができない患者の褥瘡予防は?

寝返りが困難な方には、2時間ごとの定期的な体位変換が基本です。また、エアマットレスの使用や枕やクッションを活用したポジショニング、皮膚の保湿ケアなどを組み合わせた総合的な対策が効果的です。訪問診療では、ご家族やケアする方への正しい体位変換方法を指導いたします。

エアマットレスはどのように選べばよいですか?

エアマットレスは患者様の褥瘡リスクや体重、活動性などに応じて選択します。介護保険や医療保険で対応できる場合もありますので、訪問診療の際にご相談ください。適切なマットレス選択のためのアセスメントと導入手続きのサポートを行います。

お問い合わせ・ご相談

褥瘡ケアや在宅での予防方法についてのご質問やご相談は、お気軽に下記代表電話までお問い合わせください。

代表電話:045-978-0455

受付時間:平日 9:00〜18:00