在宅酸素療法(HOT)

在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy)は、ご自宅で酸素濃縮器を使用し、日常生活の質を向上させるための医療サービスです。メディカルクリニックあざみ野では、患者様一人ひとりの状況に合わせた在宅酸素療法のサポートを行っています。

在宅酸素療法(HOT)とは

在宅酸素療法は、慢性的な呼吸器疾患をお持ちの方が、ご自宅で酸素を吸入しながら生活の質を向上させる治療法です。主に以下のような疾患の方に適応されます:

  • COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  • 間質性肺炎
  • 肺高血圧症
  • 慢性心不全
  • その他の慢性呼吸不全を伴う疾患

適切な在宅酸素療法により、以下のような効果が期待できます:

  • 呼吸困難の軽減
  • 運動耐性の向上
  • 睡眠の質の改善
  • 入院回数の減少
  • 生活の質(QOL)の向上
酸素濃縮器の画像

酸素濃縮器の使用方法

酸素濃縮器は、空気中の窒素を取り除いて高濃度の酸素を生成する装置です。使用方法は簡単ですが、正しく使うことが重要です。

基本的な使い方

  1. 電源を入れる:コンセントに差し込み、電源スイッチをONにします
  2. 酸素流量の確認:医師の指示に従った流量(L/分)に設定されているか確認します
  3. 鼻カニューレの装着:酸素を供給するチューブを鼻に装着します
  4. 使用中の確認:装置のアラームやインジケーターを定期的に確認します

日常のメンテナンス

  • 週に1回、フィルターの掃除を行います
  • 鼻カニューレは定期的に交換し、清潔に保ちます
  • 装置の周りに埃がたまらないよう、定期的に掃除します
  • 異音や動作の異常を感じたら、すぐに業者や医療機関に連絡します

安全管理(火気厳禁)

火気厳禁の重要性

酸素は燃焼を助けるガスです。高濃度の酸素がある環境では、通常よりも燃えやすくなり、火災のリスクが非常に高くなります。安全に使用するための注意点を必ず守りましょう。

安全のための注意点

  • 絶対に喫煙しない:本人だけでなく、同じ部屋にいる方も喫煙は避けてください
  • 火気に近づかない:ガスコンロ、ストーブ、暖房器具などの火気から2m以上離れてください
  • 油やグリースを使用しない:酸素と油が反応し、発火の危険があります
  • 可燃性スプレーの使用禁止:ヘアスプレーなど可燃性の高いものは使用しないでください
  • 電気毛布や電気こたつの使用に注意:火花が発生する可能性があります

災害時の対応

地震や停電などの災害時には、すぐに酸素供給業者または当クリニックへ連絡してください。予備の携帯用酸素ボンベの確保など、事前の対策も重要です。

外出時の携帯型酸素ボンベ

在宅酸素療法を受けていても、適切な準備をすれば外出や旅行を楽しむことができます。携帯型酸素ボンベを使えば、行動範囲を広げることが可能です。

携帯型酸素ボンベの種類

  • 携帯用酸素ボンベ:軽量でコンパクト、短時間の外出に最適
  • 携帯型酸素濃縮器:バッテリー式で長時間使用可能、旅行などに便利

外出時の注意点

  • 外出前に酸素の残量を確認する
  • 天候や気温に合わせて準備をする(特に極端な暑さや寒さに注意)
  • 長距離移動の場合は、医師に相談し計画を立てる
  • 緊急連絡先リストを常に携帯する

よくあるご質問

在宅酸素療法にかかる費用はどのくらいですか?

在宅酸素療法は保険適用となる場合が多く、適応条件(動脈血酸素分圧55mmHg以下など)を満たせば、医療保険の自己負担分のみとなります。70歳以上で1割負担の場合、月額約4,000円〜6,000円程度です。

ただし、酸素濃縮器の電気代(月額約3,000円〜5,000円程度)は自己負担となります。なお、高額療養費制度を利用することで、医療費の負担軽減が可能です。

在宅酸素療法を受けていても旅行はできますか?

はい、適切な準備をすれば旅行も可能です。国内旅行の場合、酸素供給業者の全国ネットワークを利用して、旅行先でも酸素を確保できます。

旅行計画の2週間前までに当クリニックにご相談ください。医師の指示書や必要な手配をサポートします。飛行機での旅行は気圧の変化による影響があるため、事前に医師の許可と航空会社への確認が必要です。

お問い合わせ・ご相談

在宅酸素療法についてのご相談・お問い合わせは、代表電話でお気軽にご連絡ください。
専門スタッフが丁寧にご対応いたします。

代表電話:045-978-0455

受付時間:平日 9:00〜18:00