高血圧症|疾患別情報
高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状が少ないまま臓器に負担をかけ続ける疾患です。日本人の約3人に1人が高血圧と診断されており、脳卒中や心疾患、腎臓病など多くの重篤な合併症のリスクを高めます。メディカルクリニックあざみ野では、最新の診療ガイドラインに基づいた高血圧の管理と治療を行っています。
重要なお知らせ
当院では、がん治療中の患者様(丸山ワクチン接種中)が非常に多く通院されています。免疫力が低下している患者様を感染リスクから守るため、以下のような対応をとっております。
インフルエンザやコロナウイルス感染症が疑われる場合は、レントゲン検査・CT検査・迅速採血検査などが必要となる可能性があるため、近隣の連携医療機関「AIプラスクリニックたまプラーザ」をご紹介しております。
患者様の安全確保と適切な医療提供のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
高血圧の基礎知識
高血圧は血管の中を流れる血液が血管の壁に与える圧力(血圧)が正常値より持続的に高い状態です。一般的に収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上で高血圧と診断されます。
放置すると危険なリスク
高血圧は自覚症状が乏しいため「沈黙の殺人者」とも呼ばれます。適切な治療を行わないと、以下のような深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血):高血圧は脳の血管に負担をかけ、破裂や閉塞のリスクを高めます。
- 心臓疾患:心不全、心筋梗塞、狭心症などの心疾患のリスクが増加します。高血圧により心臓への負担が増え、心肥大や冠動脈疾患を引き起こします。
- 腎臓障害:長期間の高血圧は腎臓の細小血管を傷つけ、慢性腎臓病へと進行する可能性があります。
- 眼底出血:網膜の血管にダメージを与え、視力低下を引き起こす恐れがあります。
- 動脈硬化:血管の弾力性が失われ、様々な臓器の血流障害を引き起こします。
症状と兆候
高血圧の多くは無症状ですが、以下のような症状が現れることがあります。これらの症状がある場合は、すぐにご相談ください。
- 頭痛(特に後頭部)
- めまい・ふらつき
- 動悸・息切れ
- 耳鳴り
- 鼻血(頻繁に起こる場合)
- 全身倦怠感
検査と診断
当院では以下の検査を通じて高血圧の診断と合併症のリスク評価を行います。
血液検査
腎機能、電解質、コレステロール値、血糖値などを測定し、高血圧に関連する他の危険因子や臓器障害の有無を評価します。特に腎機能検査は、高血圧による腎臓への影響を早期に発見するのに重要です。
尿検査
尿中のタンパク質や赤血球の有無を調べ、腎臓の健康状態を確認します。高血圧による腎障害の早期発見に役立ちます。
心電図検査
心臓の電気的活動を記録し、高血圧による心臓への負担や不整脈の有無を評価します。高血圧が長期間続くと左室肥大などの変化が見られることがあります。
※ 当院では家庭血圧測定を特に重視しています。診察時の血圧測定に加え、ご家庭での定期的な測定をお願いしています。
治療方針
高血圧治療の目標は、血圧を適切に下げ、合併症の発症を予防することです。当院では以下の治療アプローチを行っています。
生活習慣の改善
初期治療や軽度の高血圧では、まず生活習慣の改善を中心に行います。
- 減塩:1日の塩分摂取量を6g未満に抑えることを目標にします。
- 適度な運動:ウォーキングなどの有酸素運動を週3〜5回、30分以上行うことが理想的です。
- 適正体重の維持:BMI 25未満を目標に減量指導を行います。
- 禁煙:喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させる原因になります。
- 節酒:過度の飲酒は血圧を上昇させます。適量を心がけましょう。
薬物療法
生活習慣の改善だけでは目標血圧に達しない場合、または初診時から高リスクと判断された場合は、薬物療法を開始します。
- カルシウム拮抗薬:血管を広げる作用があります。
- ARB・ACE阻害薬:血管を収縮させるホルモンの作用を抑えます。
- 利尿薬:体内の余分な水分と塩分を排出します。
- β遮断薬:心臓の働きを抑え、血圧を下げます。
薬は一人ひとりの状態に合わせて選択し、適切な組み合わせで処方します。副作用の少ない薬を選び、必要に応じて調整していきます。
生活アドバイス
高血圧の管理には日々の生活習慣が重要です。以下のアドバイスを参考にしてください。
減塩のコツ
調味料は控えめに、だしの風味を活用しましょう。加工食品や外食は塩分が多いため頻度を減らし、野菜や果物を積極的に摂取してください。カリウムを多く含む食品(バナナ、ほうれん草など)も効果的です。
効果的な運動法
ウォーキング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動を継続的に行いましょう。筋トレも適度に取り入れると効果的です。運動前後の血圧測定も重要なセルフチェックになります。
質の良い睡眠
睡眠不足や睡眠の質の低下は血圧上昇に繋がります。規則正しい就寝・起床時間を心がけ、寝る前のスマートフォン使用は控えましょう。睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方は別途ご相談ください。
連携体制
当院では以下の場合に専門医療機関と連携して治療を行います:
- 二次性高血圧が疑われる場合
- 治療抵抗性の高血圧の場合
- 合併症(心疾患、腎疾患など)の精密検査や専門的治療が必要な場合
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