COPD(慢性閉塞性肺疾患)
COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、主に長期の喫煙習慣によって引き起こされる進行性の呼吸器疾患です。気道の炎症や肺胞の破壊が起こり、徐々に呼吸機能が低下していきます。早期発見と適切な治療により、症状の軽減とQOL(生活の質)の向上が期待できます。
重要なお知らせ
当院では、がん治療中の患者様(丸山ワクチン接種中)が非常に多く通院されています。免疫力が低下している患者様を感染リスクから守るため、以下のような対応をとっております。
インフルエンザやコロナウイルス感染症が疑われる場合は、レントゲン検査・CT検査・迅速採血検査などが必要となる可能性があるため、近隣の連携医療機関「AIプラスクリニックたまプラーザ」をご紹介しております。
患者様の安全確保と適切な医療提供のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
COPDについて
主な原因と症状
COPDは主に長期の喫煙習慣によって引き起こされます。有害物質への長期曝露が気道と肺に炎症を起こし、以下のような症状が現れます。
- 慢性的な咳:特に朝方に多く、痰を伴うことがあります。多くの患者さんは「ヘビースモーカーの咳」として軽視しがちです。
- 息切れ:初期は運動時のみ感じますが、進行すると日常的な動作でも息苦しさを感じるようになります。
- 喘鳴(ぜんめい):呼吸時のゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえることがあります。
- 胸部圧迫感:胸が締め付けられるような不快感を感じることがあります。
進行とQOL低下
COPDは進行性の疾患であり、適切な治療や生活改善がなければ以下のように症状が悪化していきます。
- 徐々に呼吸機能が低下し、日常生活に支障をきたすようになります。
- 運動耐容能が低下し、活動範囲が狭まります。
- 頻回の急性増悪(症状の急な悪化)により入退院を繰り返すことがあります。
- 社会活動の制限や抑うつ傾向などの精神的問題も生じやすくなります。
増悪のサイン
以下のような症状が現れたら、COPDの急性増悪の可能性があります。早めにご連絡ください。
- いつもより咳や痰が増える
- 痰の色や性状が変わる(黄色や緑色になる)
- 息切れが急に悪化する
- 微熱や倦怠感が続く
- 睡眠中や安静時にも呼吸困難を感じる
検査と治療
当院での検査
当院では以下の検査を実施し、COPDの評価を行います。
- 血液検査:炎症反応や貧血の有無、全身状態を評価します。
- 心電図検査:心臓への影響や合併症の評価を行います。
※ 肺機能検査、レントゲン検査、CT検査などが必要な場合は、連携医療機関をご紹介いたします。
治療アプローチ
COPDの治療は多角的なアプローチが重要です。以下の治療法を組み合わせて、症状の軽減とQOLの向上を目指します。
- 禁煙支援:COPDの進行を抑える最も重要な治療です。当院では禁煙外来を実施しており、薬物療法と心理的サポートを組み合わせた禁煙プログラムをご提供しています。
- 吸入療法:気管支拡張薬や抗炎症薬の吸入により、気道を広げて呼吸を楽にします。正しい吸入方法の指導も行っています。
- 身体活動の維持:適度な運動は呼吸筋を強化し、全身の状態を改善します。患者さんの状態に合わせた運動プログラムをご案内します。
- 栄養指導:COPDでは栄養状態が悪化しやすいため、適切な栄養摂取のアドバイスを行います。
推奨ワクチン
COPD患者さんは感染症による急性増悪のリスクが高いため、以下のワクチン接種を積極的にお勧めしています。
インフルエンザワクチン
毎年の接種が推奨されます。インフルエンザによるCOPD急性増悪を予防します。
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌による感染症のリスクを低減し、重症化を予防します。
RSウイルスワクチン
RSウイルス感染による呼吸器症状の悪化リスクを低減します。
専門医療との連携
当院では、以下の場合に呼吸器専門医療機関と連携して治療を進めています。
- 初回診断時の精密検査(肺機能検査、CT検査など)
- 症状の急激な悪化時
- 治療によっても症状の改善が乏しい場合
- 在宅酸素療法の導入検討時
診断後は当院でのフォローアップと専門医療機関との連携により、継続的な治療とサポートを提供いたします。
お問い合わせ
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