心不全|疾患別情報
心不全は心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。早期発見と適切な治療・自己管理で、症状の緩和と生活の質の向上が期待できます。当院では症状に合わせた治療と専門医との連携によるサポートを行っています。
重要なお知らせ
当院では、がん治療中の患者様(丸山ワクチン接種中)が非常に多く通院されています。免疫力が低下している患者様を感染リスクから守るため、以下のような対応をとっております。
発熱や感染症が疑われる場合は、精密検査(胸部X線、CT検査等)が必要になる可能性があるため、近隣の連携医療機関「AIプラスクリニックたまプラーザ」をご紹介しております。
患者様の安全確保と適切な医療提供のため、ご理解とご協力をお願いいたします。
心不全の主な症状
心不全では以下のような症状が現れることがあります。これらの症状に気づいたら早めにご相談ください。
- 息切れ・呼吸困難:特に横になったときや夜間に悪化する場合(夜間発作性呼吸困難)は要注意です。
- むくみ(浮腫):足首やふくらはぎなどに現れやすく、日中の活動後に悪化する傾向があります。
- 急な体重増加:短期間(数日)で2kg以上の増加は体内の水分貯留の可能性があります。
- 疲れやすさ・倦怠感:日常的な活動でも極端に疲れやすくなることがあります。
- 食欲不振:消化器官への血流低下により、消化不良や食欲低下が起こることがあります。
緊急性の高い症状
以下の症状がある場合は、緊急性が高いため速やかに医療機関を受診してください。
- 急激に悪化する息切れや呼吸困難(特に安静にしていても息苦しい場合)
- 胸痛を伴う場合(特に30分以上続く場合)
- 冷や汗、顔面蒼白、意識障害がある場合
- 急激に出現した著しいむくみ
検査と診断
当院では以下の検査を実施し、必要に応じて専門医療機関と連携して診断を行います。
- 血液検査:BNP/NT-proBNP(心不全マーカー)、腎機能、電解質、肝機能などを評価します。
- 心電図検査:不整脈や心筋梗塞の痕跡などを調べます。
- 身体診察:むくみ、頸静脈怒張、肺の聴診などを行います。
※ 精密検査が必要な場合(心エコー、胸部X線、心臓CT/MRIなど)は、連携している循環器専門医療機関をご紹介いたします。
治療アプローチ
心不全の治療は、症状の重症度や原因に応じて個別に計画します。当院では主に以下の治療を行います。
- 薬物療法:利尿薬(むくみの改善)、ACE阻害薬/ARB(心臓の負担軽減)、βブロッカー(心拍数の調整)などを症状に合わせて調整します。
- 塩分制限:食事中の塩分を1日6g未満に制限することで、水分貯留を防ぎます。
- 水分管理:過剰な水分摂取を避け、適切な水分バランスを維持します。
- 活動管理:患者さんの状態に合わせた適度な運動と休息のバランスをサポートします。
重症度が高い場合や専門的な治療が必要な場合は、連携している循環器専門医療機関と協力して治療を進めていきます。
自己管理と再発予防
心不全の管理には患者さん自身の自己管理が非常に重要です。当院では以下のポイントをサポートします。
- 毎日の体重測定:同じ時間(朝食前など)に測定し、短期間で2kg以上の増加があれば受診を検討してください。
- 塩分・水分の管理:減塩食の実践方法や外食時の注意点などをアドバイスします。
- 服薬管理:処方薬を医師の指示通りに確実に服用することが重要です。
- 適度な運動:状態に合わせたウォーキングなどの有酸素運動を推奨します。
- 予防接種:インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種は心不全悪化リスクを減らします。
- 定期的な受診:症状が安定していても定期的な検査・診察が大切です。
症状の変化や不安なことがあれば、早めにご相談ください。適切な管理により、入院リスクの低減と生活の質の向上を目指します。
専門医療機関との連携
当院では、心不全の症状が進行した場合や精密検査が必要な場合に、近隣の循環器専門医療機関と連携して迅速な対応を行っています。
- 定期的な状態管理は当院で行いながら、必要に応じて専門医療機関への紹介を行います。
- 専門医療機関での検査・治療後は当院でのフォローアップを継続し、一貫した治療を提供します。
- 急性増悪時には速やかに専門医療機関と連携し、適切な入院治療につなげます。
ご相談・受診について
心不全の症状でお悩みの方、定期的な管理をご希望の方は、お電話にてお気軽にご相談ください。
受付時間:平日 9:00〜18:00
※症状が急激に悪化した場合は、救急医療機関への受診をご検討ください。