フィナステリド(プロペシア)を検討している方の中には、10年経っても効果が続くのか、安全性に問題はないのかと不安に感じる方も多いでしょう。
1999年に発表された5年間の臨床試験では、フィナステリドの薄毛抑制効果が5年間持続することが報告されており、10年後も効果が続く可能性が高いとされています。
フィナステリドの耐性は現時点で報告されておらず、DHT抑制作用も長期にわたり持続することが明らかになりました。
副作用として性機能障害が2.9%の患者に発生しましたが、薬を服用していない人と比べて発生率に差はありません。
日本人を対象とした5年間の長期調査でも、5年間の安全性が確認され、重篤な副作用の増加も認められていません。
しかし、服用を中止すると脱毛症状が再び進行し、治療前の状態に戻る可能性があります(個人差があります)。
この記事では、フィナステリドを10年間服用した場合の効果や副作用、服用中止時のリスクについて解説していきます。

目次
フィナステリドとは?DHTを抑えて薄毛の進行を防ぐ仕組み
フィナステリドは、5α還元酵素2型を阻害することでテストステロンがDHTに変わるのを防ぐ内服薬で、AGA(男性型脱毛症)の進行を抑える作用があります。
薄毛の原因であるDHTの生成を強力に抑制するのがこの薬で、頭皮や前立腺など、頭皮など薄毛が進行しやすい部位で作用します。
5α還元酵素2型に対する選択性が高く(1型に比べて約120〜600倍)、効率的にDHTの生成を抑えることができるでしょう。
1日1mgの服用で、DHTの抑制効果が顕著に現れます。
その結果、毛髪の成長サイクルが正常に戻り、薄毛の進行を抑えるとともに発毛の改善も期待できます。
フィナステリドを10年服用し続けたら効果は続く?
5年間の大規模な臨床試験の観察期間中、毛髪数の増加・維持が確認され、治療を継続することで効果が上乗せされることがわかりました。
プラセボ群との比較では、時間の経過とともに効果の差も開いており、長期服用の有効性が示されています。
10年間のデータは限られていますが、5年間のデータと耐性の報告がないことから、長期服用でも効果は持続することが期待できます。
長期服用により、AGAの進行も抑えられると考えられています。
フィナステリドを10年間服用しても効果は持続する
フィナステリドを長期にわたって服用した場合、効果が持続するか否かのポイントは 5年間の臨床試験の長期データで示されています。
5年間の投与のうち、5年間までフィナステリド1mgを投与された患者は、12か月時点から毛髪数が増加または維持されており、プラセボ群と比較して差が時間の経過とともに広がりました。
この差は12ヶ月時点では107本だったのですが、5年後には差が277本まで広がったことが報告されています。
国外の研究においても、5年間継続投与した場合に頭頂部で毛髪の成長が持続していたことが確認されており、治療をしなかった場合に比べて脱毛の進行も緩やかであったことが明らかになっています。
10年間の研究はごくわずかですが、5年間の研究実績から長期にわたって効果は持続すると考えられます。
長く服用を続けた場合に、AGAの進行を抑制する効果も5年、10年と長く持続するでしょう。
フィナステリドの耐性は報告されていない
フィナステリドを長期にわたって投与した場合に、薬剤耐性があらわれるのでは?という点については 現時点で耐性の報告はありません。
5年間の長期投与での研究においても、発現率も5年目まで増加は認められず、頭髪の改善についても5年目において継続してみられました。
プラセボ群での脱毛の進行と比較しても、フィナステリド群での効果は5年目まで良好に持続していました。
薬理学的観点から言っても、5αリダクターゼ2型を阻害する作用に対して耐性ができた、という理論的な理由はありません。
したがって、長く服用することにより効果が減弱することは基本的にはないと考えられます。
フィナステリドを服用した10年後の安全性は?副作用を解説
フィナステリドの長期安全性については、大規模な5年間の追跡調査において良好な忍容性が示されています。
日本人を対象とした801例の長期調査や、多国籍の外国人を対象とした5年間の海外研究においても、使用期間が長くなるほど安全性プロファイルが悪化するような傾向は認められませんでした。
また、多くの副作用は軽微で一過性のものであり、重篤な有害事象の発生率も低いことが報告されています。
性機能関連の副作用が2.9%程度にみられますが、プラセボ群と有意差はありませんでした。
10年間の服用においても、そうした傾向は変わらないでしょう。
フィナステリドの安全性は使用期間で変わらない
フィナステリドの長期使用における安全性プロファイルは、使用期間が長くなっても良好なままであることが確かめられています。
海外の5年間の多国籍研究では、長期使用している間に新たな安全性上の問題点が見つかるようなことはありませんでした。
また、日本人を対象とした801例の調査でも、5年間の長期投与における安全性が確認されています。
副作用の現れる傾向も、投与初期と長期投与時で大筋変わらずに済んでいます。
こうしたことから、10年間の服用においても安全性が維持されることが期待できるのです。
副作用は個人差があり一部性機能障害などがある
フィナステリドの副作用として最も多く報告されているのが、性機能関連の症状です。
国内の治験では、1年間の服用により2.9%の患者で勃起障害、射精障害、精液量減少などがみられましたが、その頻度はプラセボ群と有意差はありませんでした。
フィナステリドの主な副作用と発生頻度を下記に整理しました。
- 性機能障害(1〜5%以下)リビドー低下、勃起障害、射精障害
- 肝機能値の異常(1%以下)AST、ALT、γ-GTPの上昇
- 皮膚症状(頻度不明)かゆみ、じんましん、発疹
- その他(頻度不明)陰嚢痛、抑うつ症状、めまい
個人差があるため症状の出方はさまざまですが、多くは軽微で一過性のものと言われています。
もしつらい症状があるようでしたら、医師に相談しながら使い続けてよいか判断されるのがよいでしょう。
重大な副作用の発生率は低い
フィナステリドの重篤な副作用の発生率は極めて低いことが確認されています。
頻度は不明なものの、まれに肝機能障害が起こることがあるため、注意深く観察することをお勧めします。
異常が見受けられた場合には、投与を中止するなど適切な処置をしましょう。
長期投与に伴う重篤な有害事象の増加は報告されていません。
適切な医療管理のもとで服用すれば、安全に長期治療を続けることも可能です。
フィナステリドの服用を中止したらどうなる?
フィナステリドの服用を中止すると、効果は徐々に無くなっていき、再び脱毛が進行します。
中止後の経過には個人差が大きく、年齢や脱毛の進行度、体質などによって異なりますが、数ヶ月から1年程度で治療前の状態に戻る可能性があります。
体内からフィナステリドが排出されると5α還元酵素2型の活性が回復し、DHT濃度が上昇して毛髪に悪影響を与え始めるでしょう。
効果を維持するためには継続的な服用が必要で、中止を検討する場合は医師と十分に相談することが大切です。
中止した後でも、治療を再開すればまた効果が期待できます。
中止後3〜6ヶ月で薬効が消失して脱毛が再開する
フィナステリドの服用を中止すると、再び脱毛が進行していきます。
中止後の薬効消失時期には個人差があり、一般的には数ヶ月程度で体内からフィナステリドが排出され、5α還元酵素2型の活性が回復すると考えられています。
DHT濃度が徐々に治療前のレベルに戻っていくことで、毛髪サイクルが再びDHTの影響を受け始めるでしょう。
効果を維持するためには、継続的な服用が必要です。
中止を検討する場合は、脱毛が再開するリスクを十分に理解しておくことが大切です。
中止して6ヶ月目以降で抜け毛が顕著になる
服用中止から時間が経つにつれて、抜け毛の増加がより明確になってくる可能性もあります。
DHT濃度が治療前のレベルに戻っていくことで、毛包のミニチュア化が再び進行し始めていると考えられます。
治療によって改善していた毛髪の太さや密度が徐々に失われていく可能性があります。
特に頭頂部や前頭部など、AGAの影響を受けやすい部位から変化が現れることが多いかもしれません。
しかしながら、中止後の経過には個人差が大きく、正確な時期を予測することは困難です。
中止して6ヶ月〜12ヶ月で治療前の状態にもどる
フィナステリドの服用をやめると、今まで治療で良くなっていたことが徐々に無くなってしまい、AGA(男性型脱毛症)は元の悪化のスピードに戻ってしまいます。
中断後の経過は人それぞれで、年齢や脱毛の程度、体質などによって違いますので、どのくらいの期間でそうなるかを詳しく述べることはできません。
治療を再び行えばまた効果を期待できますが、今までの毛髪を失ってしまった期間を取り戻すには相当の時間が必要になるかもしれません。
長い目で見ると治療をどのように進めていくかを考えるときは、やめることによって起こりうるリスクも考慮に入れるべきです。
今後の治療方針については、医師と相談しながら無理のない形で決めていきましょう。